夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

中国の不動産大手「中国恒大集団」経営危機ニュースの不思議

1996年に創業した中国の恒大は借入資金で宅地を開発し、

安価な住宅やマンションを大量に売りさばく手法で中国第二の

不動産会社に成長しました。が、供給過熱による不動産市況の

悪化や中国政府の土地取引規制策で収益が急速に悪化。負債総額

は中国国内総生産GDP)の2%に当たる33兆円に達しデフォルト

債務不履行)に危機に陥ったとのニュースが世界を駆け巡りました。

 

そのニュースを聞いて、私の知識が乏しい脳ミソの中が⁇マークで

一杯になってしまったのです。というのは「中国」の社会体制は

もともとは「共産主義」で「土地の所有」は認められなかったのでは?

という疑問と鄧小平が市場原理主義に舵を切ったといっても「土地の

私有」は認められていないのでは?だから中国富裕層が北海道の水源地

の土地を買い漁ったのでは?という認識があったからです。

それなのに中国に不動産売買の大会社がなぜ存在するの?しかも33兆円

という巨額の債務を抱えるほど、不動産売買が盛んなの?という

疑問が溢れたワケです。それで「中国における不動産とは何か」について

基本的なことを調べてみました。

 

中国で1986年に制定された「土地管理法」第一章第二条によると、

中国の土地は国民(全民)所有と農民集団所有の二つに分類されているそうです。

企業・個人による土地の売買は禁じられていますが、土地を使用する権利

(土地使用権)は、国(地方政府)に許可されれば取得できます。

その対価として土地使用者は国(地方政府)に「土地使用譲渡金」を

支払う必要があり、取得した土地使用権は法律に従い譲渡・賃借・抵当

することができるという事です。土地使用権は一定期間に制限され(例えば

居住用地は70年、工業用地は50年など)使用年限は土地の種別によって

設定されています。土地使用権が譲渡されると、建物およびその他の定着物も

同時に譲渡され、逆に建物およびその他の定着物が譲渡されると、その分の

土地使用権も一体的譲渡されます。使用期限満了後の問題が地域によっての

判断が横行したことにより、次第に国民の不安が増大したため、2016年12月

に、国土資源部は記者会見で、土地使用権使用年限の満了に際しては、関連法則が

明確になるまで、「申請手続きなし、更新料なし」の暫定措置を発表しました。

この点をさらに明確にするため2018年8月から「民法典各分編草案」の法改正が

始まり、関連法律を整えている最中だとの事です。まだまだ不動産についての問題

はあるようですが、長くなるので省略します。社会主義国の不動産取引の実態に

少しだけ触れたようですが、33兆円もの負債を抱えるということは、体制の盲点

というか不動産取引の「ウラ」をくぐる取引で厖大な利益を上げるということが

社会主義国でもあったということに、驚きを感じるニュースだと思いますね。

☆動画 「見せしめのデフォルトも」中国恒大集団の見通し 7:42

https://www.youtube.com/watch?v=SpsfaTjapyM