夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

慶応大学名誉教授「小林 節」さんの講演会

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厚木市文化会館で本日開催された憲法学者の「小林 節」さんの講演会にいってきました。

筋がね入りの改憲論者であった小林さんが、安倍政権の立憲主義を破壊する暴挙に異を唱え、いまや
違憲の戦争法を廃止するための論陣をはり先頭に立って活躍してくれてる、日本でいま一番忙しく
また有名な学者さんの講演とあって1400名収容の厚木市文化会館大ホールもぎっしり満員でした。

私は原発講演会の案内チラシを100部持参してほぼ全量配布できたとともに、同じデスクで「2000万人
署名」もお願いしてたので一緒になって署名協力のお願いで声を張り上げ、来場された方は意識が高い方々
ばかりので、街頭での呼びかけの時の20倍くらいの方に署名してもらいました。メノコで200名位の方が
わざわざ署名コーナーにきて署名してくれたと思います。

小林さんのお話しはさして目新しいことはありませんでしたけど、とにかく夏の参院選で32の
一人区で議席を確保し「与野党ねじれ状態」にすること、自民党が「お試し改憲」と位置付けてる
「緊急事態」条項はとんでもない危険な条項だから、その危険性を広めてメデイアの宣伝にゼッタイ
だまされないようにすることを特に強調してました。

今日の講演内容とほぼ同じの戦争法は違憲と木小林さんが判断する根拠が良く理解できるインタビュー記事が
ありましたので引用しておきます。

ー安保法制は違憲ですか?

そうです。厳密に言うと安保法制は、憲法第9条2項(「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は
、これを保持しない。国の交戦権は,これを認めない)」に違反しています。集団的自衛権を行使したいので
あれば、9条2項を改正しろ、というのが私の立場です。

今回、政府が閣議決定した集団的自衛権行使を容認するという、新しい戦争立法(安保法制)で、注目すべき
キーワードはたった二つですよ。「存立危機事態」と「重要緊急事態」です。

存立危機事態は、他国が攻撃されてその結果、日本の存立が危うくなる。すなわち、日本人の人権が全否定される
明白な危険がある場合を指す、とありますね。これは海外に集団的自衛権を行使して出て行く条件、ということですよね。
さっきも言ったように、海外で戦争が起きていて友好国が巻き込まれている、そのとき我々日本の存立が危うくなる
明白な危険があると見なすと、海外の戦場に軍隊を引っさげてでていくんですよね。

でも持っていない軍隊をどうやって出すの?軍隊がなかったら、戦争はできないですから。それから、交戦権が
なくて、どうやって戦闘するの?だから、「存立危機事態」のもとでの集団的自衛権の行使がまず、憲法違反です。

もう一つが「重要影響事態」。これがますます解らない。海外で友好国が戦争をしていて、いずれ日本に危険が及ぶ
であろうと思った時には、自衛隊は友好国の後方支援ができる、と。後方支援とは、うんとわかりやすくいうと、
最前線で引き金を引く以外は何でもできるってことなんです。負傷者や物資の輸送、食事の提供ができる。
決定的なのは、輸送ができるということ。輸送なしに戦争はできないですからね。さらにひどいのが、通信ができること。
現代の戦争において、通信なんてのは、人間の脳神経と同じじゃないですか。輸送は血管や胃腸。そうやって米軍の
後方支援をするという。

「後方」っていうと、後ろでお手伝いするみたいに聞こえるけど、例えば一万人の師団がいた場合、最前線で
戦うのは一千人の突撃部隊なんです。後の九千人は食糧支援部隊、輸送部隊だったりして、戦場の後方にいる
人たちなんかじゃなくて、まさに戦場にいる師団に含まれているんです。だから自衛隊が「後方支援」するって
いうのは、最前線で戦っている、例えば弁軍と切れ目なくくっついていくこと、つまり、米軍の一部になること
なんです。

繰り返します。「存立危機事態」は集団的自衛権発動事態であって、それから、「重要影響事態」というのは、
同盟軍後方支援事態です。こんなものを日本国憲法の下でできるのか?しかも政府はこれを平和安全法制と呼んで
いるんでしょ。それに対して、社民党福島みずほさんが「戦争法制」といったら、「失礼なレッテル貼り」って
政府は怒ったじゃないですか。だけどね、憲法9条で海外で戦争ができないと70年間も国是にしてきたことを
取り払って、憲法を無視して、集団的自衛権と後方支援の名の下に、海外に行けるとする新しい法律を通そうと
しているだから、これは、いままで出来なかった戦争をできるようにするための法、つまり戦争法ですよ。
だから、福島みずほさんの「戦争法制」というネーミングは正しいんですよ。

それを不当なレッテル貼りだと怒る方がどうかしてますよ。盗人猛々しいというか、凄い開き直りだなと驚きます。
こんなものを「平和」と呼ぶな、と思いますね
(注:このインタビューは戦争法案が参議院強行採決された2015年9月19日以前の2015年8月に行った
   ニュース・ソクラのインタビューからの抜粋です。)