夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

映画「教えられなかった戦争 侵略・マレー半島」

本日の午後、本町公民館和室で「緑のはだの有志」でドキュメント映像作家、高岩仁さんが撮影・演出のドキュメント映画「教えられなかった戦争 侵略マレー半島」(映像文化協会制作、1992年、112分 VHSビデオ)の観賞会に参加してきました。

午前中も「フィリッピン編」の上映会もあったんですが、私は日赤秦野病院での定期検診だったので、午後の会だけの参加でしたが、見終わって「言葉」がありませんでした。

資源目当ての日本軍の完全な「侵略」で、当時中国戦線で三光作戦(奪いつくし、殺しつくし、焼く尽くす徹底作戦)を実施していた部隊がマレー半島転戦ししてきたのだから、日本軍がマレー半島を占領してた3年8ケ月の間、半島各地では中国系住民(華僑)を中心に多数の人々が虐殺されました。ごく普通の市民生活を送っていた日本人が戦争という狂気の中で、上官の命令により無抵抗の人を虐殺する。恐ろしいことです。戦争は人間を
狂わせてしまうんですね。

先ごろの相模原での知的障害者殺傷事件の犯人との違いが解りません。

映画には、このような事実を歴史に埋没させてはいけないと、何人かの
勇気ある日本人が当時のことを証言してくれてます。

このような事実がありながら、あの戦争は植民地だった東南アジア解放の
為だったと正当化したい勢力が安倍首相を始め日本会議中心に増えている日本の行く末に恐怖を覚えます。

私は最後の方で証言してくれた元日本兵「三宅元次郎さん(証言時79歳)
の言葉が一番印象に残りました。(抜粋)

・「人間として本当は話したくないのや。なぜか。日本人の恥やからな」
・「わずか一銭五厘赤紙(=召集令状)で僕は召集されたのや。それが
 昭和15年の8月。それでびっくりしたのが、軍隊の本当の姿やな」
・「人間が人間並みに扱ってもらえない所だからな。それがわからんかった
 ら、何を話してもだめだ。その軍隊に入って、僕たちが一番下だよ。二等
 兵で、あと上等兵から下士官までみな上官。みな天皇につながってるん
 じゃ。抵抗することができない。口答えができない。「そうじゃありません
 これが本当ですよ」いうことができないのや」
・「指揮官がおる。それが400人位の中国の人を前にして、僕ら兵隊が
 60人くらい。それに言うのや」
・「『今から命令する』いうのや。その命令の第一句が何か。『今からこの 
 中国人を殺す』いうのや。殺す。だが、我々は何も敵意がないのや。
 何も中国の人に悪いことされたことがないんだから、殺意、人を殺す意
 殺意が起きない。人間だからな。その殺意を起こすために、その将校は
 どう言うたか。『ただいまより大元帥陛下の命により』、ここ、よう聞いとき
 なさい。『ただいまより、大元帥陛下の命により。これを殺す』ということや
・「その時、僕は思うたんや。大元帥陛下の命によりただいまよりこれを
 殺す』いうこの命令に、そういう権利、日本の天皇にあるんだろうか。
 あ~、君たちどう思う?」
・「新しい憲法が生まれたのは、僕たちが、日本の兵隊が何百万いうて、
 中国大陸の土になり、太平洋のもくずになってはじめて獲得した新しい
 憲法だな。それを忘れちゃいかんよ。ただそれだけではない。日本が
 朝鮮、中国、マレー、東南アジアに進出して、どれだけの人が、あの
 アジアの人が死んだか、それを含めたら数え切れない人々のお陰で
 今の日本の憲法がうまれたんや、な。」

赤字で表記した現代の私たちに投げかけた設問「君たちどう思う?」
私たち日本人がいまだに回答を出してないのではないでしょうか?

重い「設問」です。