大津地裁の仮処分を不服として.申し立てていた抗告審で、本日
大阪高裁(山下郁夫裁判長)が「再稼働」を認める決定を下しました。
髙浜原発3,4号機は2015年4月に福井地裁(樋口英明裁判長)が
再稼働を認めない仮処分の決定を下したのですが、同年12月に
同じ福井地裁の異議審で林潤裁判長が一転して再稼働を認めて
しまいました。
その決定を受けて関電は3号機を2016年1月29日に、4号機を
同2月26日に再稼働をしましたが、同29日にトラブルにより運転を
停止したことで大津地裁の仮処分判断で再び運転が差し止められ
現在に到ってました。
ですが関電は本日の大阪高裁の決定を受け、法的に運転できない
状態だった2基の再稼働手続きを進めるものと思われます。
思えば一審で原発再稼働の流れを食い止める画期的な判断を
示した樋口英明裁判長の判決文の中にあった格調高い名文が
思い起こされます。今回原子力規制委の「新適合基準」丸のみ
して「新安全神話」を作り出し、再稼働を認めた裁判長は「俗物」と
いいたくなりますよ。原子力規制委の田中委員長自らが「新適合
基準」は安全を担保するものではないと公言しているのに・・・
樋口裁判長の哲学
*人の生存そのものに関わる権利と、電気代の高い低いの問題を
並べて論じるべきではない
*豊かな国土とそこに国民が暮らしていることが国富であり、これを
取り戻せなくなることが国富の喪失だ。
今回 再稼働を認めた裁判長が、樋口裁判長のこの価値観を共有
できない理由はなんなのだろうか?
「木」を見て「森」を見ない勉強ばかりしてきたからなんだろうな。