夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

万葉九条の会の講演会

本日は小田急線新百合が丘駅から歩いて2分の新百合トウェンィワンホールで
万葉九条の会が主催の「講演と音楽 文化の会 ~憲法九条を愛しいと思う
人の集い~」に参加してきました。

この九条の会は2004年の大江健三郎さんら識者9人のアピールに呼応して
小田急「柿生」地区で活動してる「柿生会」という短歌会を中心メンバーに
2004年に発足した歌人憲法九条を守る会で毎年この時期に講演と音楽の会
開催しています。

現在全国に7500以上ある九条の会でも、最も古くから活動してる歴史
ある会です。

私は数回しか参加してませんが、その数回がすべて約500名収容のホール
を満員にする実力があり、本日も会場に入りきれない観客が押し寄せ
ロビーで音声だけを聞くことになって申し訳なかったと、閉会挨拶でお詫びして
ました。

構成は短歌がらみの講演のあと、女性トリオによるクラシック主体のミニ
コンサート、そして憲法関係の講演なんですが、メイン講演に予定してた
九条の会の呼びかけ人のひとりで作家の澤地久枝さんが、数日前に
体調が悪化しドクターストップがかかったため、急遽現在92歳の歌人
「万葉九条の会」の生みの親である岩田正さんに交代されました。

はじめの講演は歌人東京大学教授で工学博士でもある科学者の視点
からの平和を詠んだ短歌が多い「坂井修一」さんが、「歌人は『平和』を壊す
ものをどう感じとり、どう歌ってきたか?」のテーマでした。

森鴎外が主催した「観潮楼歌会」から説き始め「大逆事件」から現代に至る
時流のなかで歌人がどう対応したのか、そしてアインシュタインフロイトなどの
平和や戦争の考え方が日本の歌人のどのような影響を与えたかなどについての
内容でした。短歌にはあまり興味がない私にはいささか高尚な内容でありました。

次は「シャルメ・エ・レーヴ」というクラリネットヴィオラ、ピアノの女性トリオに
よる演奏でした。このトリオは毎回この集いに出演してるようです。
トリオ名は観客と一緒に音楽の魔法(シャルム)にかかり、夢(レーブ)を見る
瞬間を大切にしたいということから付けたそうです。

演奏者の歌唱はありませんでしたが、彼女らの伴奏で会場全員で
「待ちぼうけ」と「旅愁」を唄いました。

なぜか文章途中で画像が挿入されてしまいました。画像が終わっても文章
続いてますよ。

      ☆画像     上から

          ・会場はこんな感じ
       
          ・講師 坂井修一さん

          ・シャルメ・エ・レーヴ の3人

                      ・講師   岩田 正さん

         
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心地良い演奏で、私は数分間ホントに寝てしまい「いい夢」をみたようです。

最後の講演は澤地久枝さんから急遽交代した「岩田 正」さん
御歳92歳だけあって演壇までの足元は少々ふらついてましたが、お話しが
始まったら声がかなり高音なので女性じゃないのかと一瞬とまどってしまいました。

岩田さんは1945年に徴兵され、国内で軍隊生活を送って敗戦を迎えたので
運よく戦地に送られずにすんだワケですが、短いとは言え「軍隊という不条理な
世界」を体験したので、その不条理な体験の数々を時にユーモアを加えながら
語ってくれました。

レジュメの中で岩田さんが詠んだ短歌が14首紹介されてましたので、私の
お気に入り3首を紹介・・・

    *なで肩の やさしき妻の形して 割烹着壁に かけられてあり

    *ながらへて 九条の改悪見むとする いのちとは かく不条理なもの

    *九条の改正 笑ひ言ふ議員 このちんぴらに 負けてたまるか