夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

玉虫色声明案

日本の科学者を代表する機関「日本
学術会議」の安全保障と学術に関する
検討委員会は、昨7日軍事・戦争を
目的とする研究を禁じる1950年と
1967年の声明を継承するとの声明案を
出席した13人全員が賛同しました。

4月の総会で会員210人の多数決で
採決されるそうです。

防衛省による軍事研究の助成制度の
予算は初年度の2015年に3億円、
2016年度は6億円、2017年度は
一挙に110億円に大幅に増加されてます。

研究費不足に悩む大学研究機関としては
のどから手がでるような「悪魔の誘惑」
に見えることでしょう。

みなさんも「玉虫色」の意味をご存じ
だと思います。

タマムシの翅(はね)は光線の具合で
緑色や紫色などに見えることから、
見方や立場によって色々に解釈できる
あいまいな表現を「玉虫色」の文章
と言うんですね。

そこで、検討委員会は1950年、1967年
の「戦争を目的とする科学の研究は
絶対に行わない」と云う強い意思を
「過去の声明を継承する」しなからも、
役人や政治家がもっとも得意とする
「但し書き」作戦をマネしちゃって
「抜け道」を準備してしまったんですわ。

~。ただし、軍事的安全保障研究と
見なされる可能性のある研究は、適切性
を審査する制度を設けるべき。

と、したんですね。

「但し書き」は、後に続く文章でその前の
本文を「骨抜き」にするのが目的ですから
「目の前のカネ」に惑わされる大学研究
機関がでても声明には「軍事研究を
禁じる直接的な表現はない」などて言われ逃げられちゃうかもしれません。

それでも「過去の声明を尊重する」より
「継承する」にしたことは良かったと
思ってます。

日本のアタマのいい学者さんたちが、
頭をひねって導きだした玉虫色の
声明案への感想でした。