夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

山口二郎教授コラム「改憲論議以前」

舌鋒鋭い政治批評で定評がある、法政大学教授で
「立憲デモクラシーの会共同代表」の山口二郎さんが
東京新聞の「本音のコラム」欄の毎週日曜日に
執筆しています。

昨日、掲載の「改憲論議以前」の切れ味がよかった
ので抜粋引用してみました。

 ☆東京新聞「本音のコラム」 山口二郎法大教授
   『改憲論議以前』
 *安倍首相はしつこく憲法改正ムードを作ろうと
   しているが、およそルールを守る意欲も能力も
   ない政治家に憲法改正を叫ばれると、ふざけるな
   と言いたくなる。常習犯の泥棒が、汝 盗むなかれ
   と説教するようなものである。

   憲法は、為政者が日々実践すべき規範である。
   また、憲法や法律に明記されていなくても、憲法 
   の常識とも言うべき当然の常識がある。
   安倍政権の異常さは、この種の常識が破壊
   され、さらに公務員に常識を守るよう監督する
   立場にある首相以下の閣僚もこの種の非行を
   黙認した点にある。

   憲法論議をしたいという者は、当然日本語の
   ルールを守らなければならない。野党議員が
   自衛隊の日報にあった「戦闘」の意味を尋ねる
   質問主意書を出したところ、政府は「国語辞典
   的な意味での戦闘」と自衛隊法などで定義
   する「戦闘行為」とは異なるという答弁を決定
   した。犬を見て、あれは自分が考える犬では
   なく、猫であると言い張るならば、もはや議論
   は不可能である。

   政権の指導者たちは、小学校の国語と道徳
   からやり直した方がよい。憲法論議は、政治家が
   言葉を正しく使えるようになるまで、お預けにする
   しかない。

    ☆動画  TBS サンデーモーニング
       風を読む  失われゆく言葉の重み 12:24