夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

韓国最高裁の「徴用工賠償支払い判決」の問題

イメージ 1本日は、「朝鮮・中国人の徴用工の補償は解決済み?」をテーマに話し合う「いせはらのアゴラ」に参加。

私はこの問題についてあまり考えてなかったので、
ネットで「弁護士・学者有志による有志声明」と
外務官僚としての経験が長く東大教授でもあった
浅井基文さん11ページにわたるレポートをもとに
にわか勉強をして臨みました。

冒頭、この集まりの主宰者であるHさんが、NHK
の調査で今回の韓国最高裁の判決に納得すると
した人が2%、納得しないとした人が69%だったことに
驚いていました。

今回の訴訟は、韓国が日本の植民地時代に強制
労働をさせられたとして韓国人4人が新日鉄住金
(旧新日本製鉄)に損害補償を求めたものです。
日本政府と新日鉄は元徴用工への請求権問題は
1965年の「日韓請求権協定」で解決済みとの
立場であったことに対し、韓国最高裁は原告の
個人請求権は協定で消滅しないと判断。原告を
「強制動員された被害者」と位置づけ、新日鉄
に対し請求全額を支払うよう命じた判決をした
ものです。

私もにわか勉強の結論は韓国最高裁の判決に
軍配を挙げたので、日本では少数派に属する
ことになったようです。

その根拠は先に紹介した「日本の弁護士声明」
では、詳細は省きますが①元徴用工問題の本質は
人権問題であること②日韓請求権協定により個人
請求権は消滅していないこと③被害者個人の救済を
重視する国際人権法の進展に沿った判決である
事④日韓両国が相互に避難し合うのではなく、
本判決を機に根本的な解決を行うべきであること
について詳しく述べてあり、いちいち納得できる
ものでした。

さらに浅井基文さんの論説は、副題に~日本政治の
異常性を映し出す鏡~とつけるほど、今回の判決
に対する日本国内(政府・自民党だけでなく、広く
日本各層)の反応ほど私たち日本人における
他者の尊厳に対する無関心、無意識をさらけだして
いるものはないと慨嘆し、他者の尊厳に対する
無関心、無意識とはとりもなおさず人間の尊厳という
価値観が私たちの中に根付いていないということを
示すものに他なりませんとまで言って、その根拠を
11ページにわたって詳細に説明しております。
(ここでは長くなるので詳しく紹介出来ませんので
浅井基文のブログで検索してみてください)

これは人権問題であり純法律問題なので、政治問題
外交問題として、韓国司法の判断に相手国の行政府が異論をぶつけるのはスジ違いのようにも思える
のですが・・・

とにかく、かつて殴った方は殴ったことを忘れて
しまっても、殴られた方はいつまでも殴られたことを
忘れないという事ですよ。

殴られたほうが「もういい」というまで謝るしかない
と思いますよ。同じ敗戦国のドイツやイタリアは
それをやったんじゃないでしょうか。

さらにアべ政権は従来原告に対し使ってきた
「徴用工」呼称を言い換え「労働者」と言い立て始め
原告が自ら労働に応募したとして、強制性を薄める
「歴史を曲げる行為」だとの批判が噴出するような
行為に安倍首相が先頭を切ってやりだしました。。

安倍政権得意の「言葉の言い換え」作戦ですね。

現在のところ、浅井さんが指摘してるように政府、主要
メデイア(朝日や東京までも、ましてTVは全局)
が政府発信情報をダダ洩れ状態で報じてますので
日韓問題として相当揉めそうな状況です。