夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

映画「懺悔」

16日の上映会では私の事情で途中から参加して
1時間ほど観たところで、次の予定のため移動して
しまったため、なにがなんやら理解できなかったので、主催.側のスタッフUさんがDVDを貸してくれたので、
約150分の長編をいま見終わりました。

Uさんも何回か鑑賞したけど、未だに難解な映画だと
いってましたが、確かにその通りでした。

監督はジョージア旧ソ連邦のグルジア、大相撲
栃の心の出身国)の映画界の巨匠と云われる
テンギス・アブラゼさんでこの作品が遺作で、カンヌ
映画祭.審査委員特別賞を受賞しました。

ソビエト時代のスターリンによる恐怖政治を彷彿
とさせるある家族の悲劇と、独裁者の墓を暴く
ことで裁判に架けられた女性の回想で独裁者を
告発するという基本的なストーリーですが、独裁者の
葬儀では偉大な支配者だったと参列者が賞賛して
偲ぶが、内実は恐怖で支配したという痛ましい
真実からは目を背けるが、グルジア当時はソ連邦
一員。真正面からスターリンの独裁に異を唱える
わけにいかないので、架空の町の独裁市長を通して
の圧政を寓話的に描いてるので、日本人には
ちょっと理解しがたいエピソードが多くなったのだと
思います。

私が、もっとも印象に残ったのが、歌がめちゃくちゃ
上手い市長がある家族の前で唄った後でアンコール
され、それならばと言って披露した「シェイクスピア」の詩の朗読です。DVD機能の便利なところで、停止を
架けながら字幕から書き起こしができました。 

これです。

☆すべてに倦(う)み疲れ われは死を願う
  今や名誉は 物乞いとなり
  高貴な絹布を 染める色はなく
  偽りは 忠誠の性(さが)となり
  値(あたい)せぬものたちが 桂冠を頂き
  貞潔は 淫蕩に損なわれ
  栄光の墓は 暴かれ辱められ
  強き者は 歪んだ時代に屈服し
  至高の芸術は 槍を刺され
  卑しき者たちが 易々と賢者を装い
  今や真実は  馬鹿げたものと看做(みな)され
  善は 悪にかしずく
  これらに われは倦(う)みたり

これを、独裁者に言わせてしまうところがスゴイです。

赤字の部分なんて、日本のことかなと言っていい
ですよね。

     ☆映画「懺悔」予告編       2:05
       どうでもいいけど、私は「ざんげ」を漢字で
       書けといわれても書けません。