夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

5千万年も前から「農業」を営むハキリアリ

原発記事を読むためにたまたま購入した「文芸春秋9月号」の

229ページで佐藤健太郎という科学ライターがハキリアリの

女王アリは生涯に2億匹もの働きアリ(すべてメス)を生み

続けることの話をきっかけに、その生態を紹介してる記事を読んで.妙に

アタマに残っていたのでまとめてみました。

 

ハキリアリは南北アメリカ大陸に棲み、強靭な顎で木の葉を噛み切り、

巣に持ち帰る。そしてその葉を細かく噛み砕き,菌を植え付けてゆく。

丁寧に温度や湿度がコントロールされた「畑」には、やがてキノコが

生えてくるのでそれを食料にして生存するそうです。

 

驚くのは働きアリには大中小様々なサイズのものがおり、葉を運ぶもの

栽培に従事するもの、巣の拡張や通路整備にあたる者、葉を運ぶ仲間を

警備するもの、卵や幼虫の世話をするもの、古い葉を巣から運びだして

衛生環境を守る者などと細かく役目が分かれているそうです。

 

作者の佐藤さんは「これはもう巣などでは無く、都市あるいは国家と

呼ぶべきものだろう。細かく分業し、自分の得意なことに特化するのは

文明化の重要な要素だが、この点でもハキリアリは先進的といえる」

述べています。

 

ハキリアリは、上から命令されるわけでもないのに、自発的に巣全体の

為になる行動をとり、自然に規律が保たれているそうです。権力を

振りかざし、既得権益を守ることに汲々とする人間たちを

「ずうたいばかりデカイあなたたちの脳ミソは、私たちより遅れてるわね。

せっかくある脳ミソをもっと働かせなさいよ」とバカにしてるのじゃないで

しょうか。

 

脳ミソがあるのかないのか分からない「ハキリアリ」たちにできることが

万物の霊長などと、いきがってるばかりで、脳ミソがついてるのにそれを

使わない人類に未来はあるのでしょうか。と考えさせてくれました。

 

     ☆動画  メチャクチャ変な生態!農業を営むアリ。

          自給自足の生態に迫る         4:18

                                https://www.youtube.com/watch?v=MCQ73wlWia4