夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

孫崎享さんの「講演会」

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本日は、厚木九条の会が十周年記念として厚木文化会館小ホール(収容382名)に満員の聴衆を集めて
開催された外務省の高級官僚出身の孫崎享さんの講演会に行ってきました。

孫崎さんは外務省で国際情報局長、ウズベキスタン大使、イラン大使を歴任、退庁後は防衛大学教授を
2009年まで勤め、現在はリベラルな立場で言論・著作活動を続けるとともに、東アジア共同体研究所
所長として活躍されている方です。

ベストセラーになった「戦後史の正体」を私も読んで日本がアメリカに支配(いまだに占領)されてる歴史を
官僚出身でありながら暴いた人でもあるんですね。

そのような論陣を張ってるだけに、政府広報機関と化した新聞・テレビの腐れメデイアへの露出は極端に
減りましたが、外務省、防衛省官僚のアメリカべったりの姿勢と権力批判を忘れたメデイアへの舌鋒鋭い
批判は相変わらずで聴衆の人を納得させてました。。

それにしても、お名前の「享」を「うける」と読むとはね。ルビがふってなければ解りませんわ。
普通は「とおる」と読みますもんね。

講演の内容は、孫崎さんの著作を読んだりyoutubeで他の講演を観たりしてた私には、はっきり言って
目新しいものは少なく、現状の日本が抱える防衛・外交上の問題を戦後の歴史経過から紐どいて明らかに
し、その歴史を無視して安倍政権にすり寄った情報を垂れ流す新聞・テレビにより、日本の表現の自由
大きく侵されているので、それに対応するには溢れる情報の中からSNSを利用して国民一人一人が
これはと思うものを取捨選択して、他の人に発信していくことだと強調する内容でした。

ただ講演案内のパンフレットによる講演タイトルは「もしも、憲法九条を世界に広げることができたなら」
でしたので、お話しされた内容とはちょっと違うなと思ってしまいましたね。

外務省の官僚としてイギリス、ソ連アメリカ、イラク、カナダに駐在経験を持ち、さらに本省で
国際情報局長という世が世ならスパイの親玉のような幹部中の幹部であった要職を経験した体験から
講演タイトルの「憲法九条を世界に広めるため」に、孫崎さんだったら日本がどんな具体的な「打ち手」
がをとったら有効なのか?の具体案のひとつふたつは紹介してもらいたかったですね。

国連ロビー活動の他国と日本の比較とか、ODAとからめた九条アピールとか、自衛隊任務を国際的
に災害救助、人道支援、紛争国の復興支援に特化することの他国へのアピール方法とか、
孫崎さんの体験を生かしたイデアがなんかありそうじゃないですか。

安倍政権への問題認識は九条の会の人なら大体は理解してるんで「憲法九条を世界に広めるため」の
外交的なハウツーと市民運動として、どのアイデアを重点として取り上げ、権力に迫るべきかを知りたかった
もんでその点にやや不満が残った講演でした。