夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

5回の「なぜ?」

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マンガ版で200万部超、文庫本(新装版)で50万部
超という大ベストセラーになってる話題の本
君たちはどう生きるか」のマンガ版を女性スタッフ
Uさんからお借りして、遅まきながら読みおわりました。

原作は岩波書店の雑誌「世界」の初代編集長で
児童文学者でもあった「吉野源三郎」さんで
昭和12年に出版された本です。

この本の主人公は中学2年生の「コペル君」と
彼の叔父さん(母親の弟)、父親は2年前に
他界してます。

叔父さんにいろいろと教わりながら「人間が
生きる意味」について、経験を通して学び、気がつき
お互いのものの見方が成長していく物語です。

「なぜ生きる?」「何のために生きる?」について、
自身の考えはどうなの?と、生きる意味の根源的な
テーマについて、読者自身に問題が投げかけ
られます。

私が特に自身に投げかけられた点をピックアップ
しました。(自分問題として・・・)

★ものの見方についての項より引用
  ・人間が自分を中心としてものを見たり、考えたり
   したがる性質というものは、、これほどまで
   根深く、頑固なものなのだ。
  ・子供のうちは、どんな人でも、地動説ではなく、
   天動説のような考え方をしている。それが大人
   になると、多かれ少なかれ、地動説のような
   考え方になってくる。
  ・しかし、大人になるとこういう考え方をするという
   のは、実は、ごく大体のことに過ぎないんだ。  
   人間がとかく自分を中心として、ものごとを
   考えたり、判断するという性質は、大人の間にも
   まだまだ根深く残ってる。
  ・殊に、損得にかかわることになると、自分を離れて
   正しく判断してゆくということは、非常に難しい
   ことで、こういうことについてすら、コペルニクス
   の考え方のできる人は、非常に偉い人といって
   いい。たいがいの人が、手前勝手な考え方
   におちいって,ものの真相がわからなくなり、自分
   に都合のよいことだけを見てゆこうとするもの
   なのだ。

ニュートンの林檎と粉ミルクの項より引用
  (ニュートンが林檎が木から落ちるの見て引力
  を証明したエピソードのマンガ吹き出しの部分より
  ・ニュートンは、りんごが落ちるのを見て何かピン
   ときた。でも肝心なのはそれからなんだ。
  ・彼は想像の中で木をどんどん高くしていった。  
   10mでも100mでもりんごは落ちるのか・・・・?
  ・そうやって、とうとう月の高さまで行ったときに、
   ハタと立ち止まった。
  ・重力があるなら、どれだけ高くなろうと、どんな
   ものでも、落ちてこなきゃいけないはずだが・・・
  ・月は地球に落ちてこない。
  ・それは、地球が月を引っぱっているチカラと、
   月が回る勢いで飛んでいこうとするチカラが、
   釣り合っているからなんだけど・・・
  ・ニュートンは地球上の重力と天体の間の
   引力が同じ性質のものじゃないかと考え
   実際にそれを証明したんだ・・・・!!
  ・だからね、ひとつのわかりきったことを、どこまでも
   どこまでも追いかけて考えてゆくと、ものごとの
   大事な「根っこ」の部分にぶつかることが
   あるんだ・・・・

この項を読んだ時、お仕事現役時代に、勤務先の
大手取引会社であったトヨタ自動車の真因追及
の手法である「5回のなぜ?」を思いだしてました。

商品が売れない理由、クレーム等のトラブルに
直面したとき「なぜそれがおきたのか?」と「なぜ?」
を5回以上ぶつけて繰り返し考える。すぐに思いつく
答えを安易に結論とせず真の原因を探る手法です。

最近、記憶力、思考力、判断力、分析力にとんと
自信がなくなったせいか(ほんとは元々ないんです
けどね)、とみに安易な方向に流されていることに
「喝」をいれられたような気がした部分でした。

   ☆動画  TBSサンデーモーニング ~風を読む~
          「君たちはどう生きるか」  12:42



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