図書館で借りて年末から少しずつ読んでいた
先の戦争における日本軍の暗部「細菌兵器開発」や
「実戦使用」もした石井四郎軍医中将率いる731
部隊が他国民に対して犯した残虐な加害の記録です。
1981年(昭和56年)初版の森村誠一さん渾身のドキュメントですから、図書館の本も大分年季が入り.
古びてました。内容は一流大学出身の学者・研究者が
戦争という狂気の中ではここまで「鬼畜」になってしまうのかという実態を緻密な取材と厖大な資料を
もとに明らかしており、今を生きる私たちが
ちゃんと歴史と向き合わねばならない記録です。
「終章 731の意味.するもの」から、本作についての
作家の思いが綴られて.いますので「抜粋」します。
抜粋
読者においては、次から次に明るみに晒される
731部隊の悪魔の所業に、これが果たして人間の
おこなえる事なのか、人間がこれほどまでに残酷に
なれるものかと疑い、思わず読む目を背け、読み進む.
のを止めようとした方も多いだろう。だがここで
敢えて申し上げたいのは、人間が戦争という狂気に
とりつかれたとき、それは少しも残酷でも尋常でも
なくなってしまうということである。
戦争都いう国家的集団発狂の中で、自己の行為が
「お国ために」役だっているという確信の下に、
悪魔の所業をためらうことなく遂行するのである。
真に恐ろしいことは、この残酷を犯した人たちと、
われわれが別種の人間ではないという事実である。
われわれも731部隊と延長戦上にあるという
ことを忘れてはならない。
https://www.youtube.com/watch?v=Po45fy3K-CI