夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

原爆の日にチャップリンを想ふ

今朝、家内が毎日観てる日本偏向放送協会の朝ドラの時間に広島平和公園での「原爆死没者慰霊式・
平和祈念式典」(平和記念式典)の中継をやっていたので普段は絶対観ないNHKを久しぶりに観てました。

ワタシは結婚して1年目に、定年まで勤務した会社が広島に設立した直轄販売会社に出向となり、名古屋支店に
転勤になるまでの10年間を広島で過ごしました。

想い出多きワタシの第2の故郷デス。とにかく山、海に囲まれた地に7本の川が流れ、まるでここに
原爆が落とされて壊滅した街とは考えられないほど復興して綺麗で暮らしやすい都市になってました。

ですから、広島には楽しかった思い出しか残ってません。(次男は広島生まれ)

しかし、職場の仲間には「被曝2世」が何人かいて、結婚問題に悩んだり、被爆した親の面倒をみてたり、
自身のカラダへの影響もでるのではないかと不安を感じていたりと、いろいろな悩みを抱えてました。

そして、今朝の平和記念式典・・・

広島で10年暮らした身としては、松井広島市長、それに続く男女の小学6年生の挨拶が心に響き自然にナミダしました。

それに引き換え、安倍首相は官僚が書いた原稿を読むだけの、まるで心が籠ってない「口先あいさつ」・・・

国会答弁と同じデス。ホンネは日本も核武装をしたいから「原発を再稼働」を推進してるのに、それはいっさい
隠して綺麗ごとばかり並べてるだけ。まったく幻滅しましたわ。

そこで思い出したのが、私が入社のときの願書の尊敬する人物は?の欄にチャーリー・チャップリンと書いた
チャップリンが残した二つの警句です。

一つは、映画「殺人狂時代」(1947:米)である理由から殺人を重ねた主人公が、死刑となる前に
残す形で云わせた言葉。

    ☆「一人の殺害は犯罪者を生み、百万の殺害は英雄を生む。数が(殺人を)神聖化する」

      (One murder makes a villain millions a hero。
       Numbers sanctify)

     *英国国教教会牧師で奴隷化廃止論者ベイルビー・ボーテューズの言葉をチャップリンがこの映画で
      引用し有名になりました。

     *この通りですね。アインシュタイン博士、トルーマン米大統領は、いまだ英雄扱いされてるんじゃ
      ないですか?  ヒロシマナガサキで二十万人強の無差別殺人を犯したのに、いまだ戦争犯罪責任を
      問われておりません。ある意味、原爆の威力を人体で確かめたんですから「人類に対する犯罪」です。

そして、もう一つが1942年公開の米映画「独裁者」のラストでの有名な「床屋の演説」・・・

当時、ナチスヒットラーを批判したこの映画は世界的にヒットしたんですが、日本はナチスドイツ・イタリア
三国同盟の間柄でしたから、日本で公開されたのは敗戦後何年も経ってからでした。

演説はヒットラーに似てたため、いろいろな経過があってヒットラーの身代わりになってナチス礼賛の演説を
しろと脅迫されて演壇に登った一市民である床屋さんが、脅迫に負けず「自分の思い」を吐露し、光(希望)を
暗示する場面でラストを迎えます。

チャップリン初めての全トーキー映画(もうほとんどの人が解らないかな?全編音入りの映画)で、人類に
対してこれだけの警鐘をならしたチャールズ・チャップリン

ユダヤ人としていろいろな迫害を受けたチャップリンナチス台頭の時代にこのような映画を製作したことに
いまさらながら尊敬の念を強くします。

今の時代にも彼の警鐘はこころに響きます。

本編の抜粋と、現実映像を入れて加工したもの2本をぜひご覧になってください。

安倍首相が出演してないのが残念でなりません。まるでいまのニッポンのハナシです。


      ☆米映画「独裁者」(1940) 床屋の演説場面   6:04版

       https://www.youtube.com/watch?v=xl2e69fEFf4

      ☆「独裁者 床屋の演説 加工動画」

        https://www.youtube.com/watch?v=RzTmkoR6mMQ