夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

原発の”ウンチ”は電力会社の資産

昨日 多くの反対の声に耳をかたむけず九州電力は鹿児島県の川内(せんだい)原発を再稼働しました。

原発を止めると真夏は電力不足になると、さんざん政府・電力会社・メデイアから脅かされたけど
結局 昨日まで約2年間原発稼働ゼロにもかかわらず電力不足はおきませんでしたし、今夏も電力不足の声は
聞こえてきません。むしろ川内原発を稼働した九州電力は余裕すらあるようです。

国民と企業の省エネ化がすすんだこと。まがりなりにも「再生可能エネルギー化」がすすんでること。
電力大消費企業の「自家発電化」がすすんだこと。が。かなり寄与してるようです。

そんな中での再稼働・・・

ワタシが原発再稼働で一番問題にしているのは「使用済み核燃料」のもっていき場のメドがまったくない中で
再稼働したことです。

人間のカラダに例えれば「核燃料」は「食べ物」、栄養をカラダに取り入れて役目を終えた「使用済み核燃料」は
云わば「原発のウンチ」・・・

原発を称して「トイレのないマンション」とは言いえて妙ですね。

政府と原発村住人、メデイアはこのトイレのないマンションに日本の国民をいつまで住まわせる気なんでしょうか?

原発ムラが考えてることは、人間のウンチはもともとは食べ物だったんだから、ウンチに技術的な処理を
加えればもとの「食べ物」にもどせるハズだと、まるで宇宙ステーションのようなことに取り組んでいます。

いつまでたっても、そんなことはできません。すでに「兆」を超す開発費をつぎ込んでるハズです。

したがって「原発のウンチ」は電力会社に溜まる一方で、もう「電力会社はク○まみれ」といっていい状態です。

それが「もんじゅ」だったり「六ヶ所村再処理工場」だったり「プルサーマル原発」なんですね。

政府と電力会社は「核燃料」を「リサイクル」することを前提にしているので、この「原発のウンチ
(=使用済み核燃料)」を経理的には、なんと電力会社の「資産(財産)」として計上してるんです。

ですから、原発を稼働してないと「ウンチの再利用」ができないと云うことになり、一挙に不良資産化してしまい
いままで発生し保管している「使用済み核燃料」を一気に損失処理しなければならないワケです。

会計上の損金処理はできますけど、帳簿上ないものとなった「原発のウンチ」を捨て場所が決まるまで
何年でも何十年でも電力会社は安全に保管しなければならないワケです。
こんなことが可能なんでしょうか?電力会社さん・・・

すると電力各社(原発がない沖縄電力を除く)は膨大な赤字と帳簿にない在庫を抱えることになり
場合によっては経営破たんをしてしまうと云う経済構造になっていますから、電力会社を破たん
させないため原発の再稼働に踏み切ったんだと思います。

政府と電力会社、マスコミは、こういうホンネはできるだけ隠します。

これは「原発ゼロ宣言」を政府ができないのも同じ構造です。

原子炉自体電力会社の資産ですから、政府が「原発ゼロ」宣言をした途端、原子炉は不良資産となり
その会計年度に償却残を一挙に損失処理しなければなりません。(ただしこれは、国民があまり気がつかない
うちに経産省の官僚が10年かけて損金処理するように法律を変えてしまいましたけどね)

いま原発ゼロ化宣言したとしても「廃炉完了」までには30~40年かかると云われているのに、次々再稼働したら
いったいどのくらのウンチが電力会社たまるんでしょうか!   恐ろしい!

おそらく今ゼロ宣言をしても核のゴミの捨て場所は40年たっても決まらないでしょう。

ワタシはもう先も短いし「安全神話」にだまされてた責任もありますし、原発推進の「自民党政治」をとめることが
できなかったという責任がありますから、まあ諦めがつくとしても「孫とそのまた子供や孫」の時代には
放射能の心配がないようにしてあげてから、あの世にいきたいですね。

使用済み核燃料に加えて原子炉まで不良資産宣言されたら、電力会社で経営破たんするところはでてきますよ。

ワタシはそれでもいいと思ってます。今独占状態の電力会社を発電と送電会社に分離させ、送電は国策会社。
発電は民間会社の自由参入を許し競争入札にすればいいと思ってます。

本日、秦野駅前に11人が集合して「川内原発再稼働に抗議」するチラシを配りましたが、通りゆく人も4年前に
福島原発の惨状に寄り添った時の姿はまったくみえませんでした。

大昔、ドラマ「君の名は」だったかな?

「忘却とは忘れ去ることなり」と云う名文句があったけど、それを思い出しました。

それにしても、福島第一原発放射能事故を見てドイツのメルケル首相は「原発ゼロ化」を多くの原子力
関係者の反対を押し切って決定し、安倍首相は同じ事故の詳細をメルケル首相以上に知る立場に
ありながら、しかも多くの再稼働に反対する国民の声を知りながら「原発再稼働」にまい進する。

「同じ事象」をみても、リーダーによって真逆の「差」がでるということを痛感しました。

ドイツにできて日本にできないワケはないのに・・・