「緑のはだの」のメンバーが「これ、いいよ!」と言って標記のDVDを貸してくれたので、昨日観賞しました。
最近見たドキュメンタリーや映画の中で一番感動しました。 素晴らしいです。
戦火のアフガニスタンで病いで苦しむ現地の人に対し無償での医療救援に携わっていた「中村 哲」医師が
干ばつで砂漠化してしまい農地を捨てざるを得なかった農民たちの農地を用水路を建設することによって
回復すると云う、壮大にして根本的な解決をするためにチャレンジした記録です。
監督:谷津賢二 朗読:菅原文太 ナレーション:中里雅子 です。
最貧国のひとつですし、そのうえ上空をヘリコプターが飛び交う戦争中なのでとにかく「おかね」がない
中での大工事ですから使われた重機はショベルカー、作業員移動のためのトラック、踏み固め用の
ローラー程度で後は全て人海作戦ですから、工事完成まで7年間で述べ60万人が工事に関わったそうです。
しかもコンクリートは高価なので岩石を山から切り出して利用する方法・・・
なんと日本の江戸時代の「じゃかご」という編んだ金網に岩石を詰めそれを積み重ねて「堰」造りに利用
する工法や、用水路の堤防にあたるところに岩石の隙間に細かく根を張る「柳」を植える工法、取水口の堰には
江戸時代に造られた筑後川の「山田堰」という流れに対し斜めに堰を造ると云った日本の先人の知恵を、
使ってるんですね。
ナレーションの間に入る菅原文太さんの朗読がこころに響きます。
「元ゲリラが武器をつるはしに持ちかえてこの工事に加わった」
「議論はいらない。 実行あるのみ」
「無謀だと恥じることはない。私達は必ずやり遂げる」
「自然を意のままに操作しようとする昨今の風潮は思い上がりである。クナール河は簡単に制御できるもの
ではない。"少しばかりお恵み下さい”という姿勢がなければ、とても成功するものではなかった」
マルワリード用水路と呼ばれる総延長25.5kmにおよぶ用水路にかかった費用 約12億円は全額
日本の人々からの支援金で賄われたそうです。
最後のシーンで映し出される「砂漠」と「緑豊かに代わった土地」との対比、「稲刈りに励む農民
はじけるような笑顔」を見て、日本が国際社会に貢献する道はアメリカの戦争に加担することではなく
「コレダ!」と強く思いました。 これこそ「積極平和主義」です。
この大プロジェクトをやり遂げた中村哲医師こそノーベ平和賞にふさわしい人です。
☆動画 アフガン用水路建設ドキュメンタリー 予告編
https://www.youtube.com/watch?v=y2Du_SLRhhI 4:15
☆動画 海外の反応
https://www.youtube.com/watch?v=Y4SeCsoNYLA 3:02