夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

「共謀罪」に国連から日本政府に質問状

安倍政府にたいして、国連プライバシー権に関する特別報告者
ジョセフ・ケナタッチ氏から質問状が寄せられ政府に回答を求めて
います。

その書簡は長文章ですので,要旨を抜粋します。(抜粋してもかなり
長くなってしまいますが・・・)

☆プライバシーに関する権利の国連特別報告者  ジョセフ・ケナタッチより抜粋
   (翻訳   弁護士  海渡雄一・木下徹郎・小川隆太郎)

国連人権高等弁務官事務所      参照番号 JPN3/2017   2017年5月18日


・私は、国連人権理事会の、プライバシーに関する権利の特別報告者として
 私の権限の範囲において、このお手紙を送ります。

・もし「共謀罪法案」が法律として採択された場合、法律の広範な適用範囲に
 よって、プライバシーに関する権利と表現の自由への過度の制限に
 つながる可能性があります。

・新たに277種類の犯罪の共謀罪が処罰の対象に加わることになりました。
 これほどに法律の重要な部分が別表4(277の法律リスト)に委ねられている
 ために、市民や専門家にとって法の適用の実際の範囲を理解することが
 一層困難であることが懸念されています。

・別表4は森林法第198条や、文化財保護法193条、195条、196条、
 著作権法119条など、組織犯罪やテロリズムとは全く関連性の内容に
 見える犯罪に対しても新法が適用されることを認めています。

・「組織的犯罪集団」の定義は漠然としており、テロ組織に明らかに限定
 されているとはいえません。

・「計画」の具体的な定義について十分な説明がなく、「準備行為」は法案で
 禁止される行為の範囲を明確にするにはあまりにも曖昧な概念です。
 そのような「計画」と「準備行為」の存在と範囲を立証するためには
 論理的には、起訴された者に対して、起訴に先立ち相当程度の監視が
 行われることになると想定されます。このような監視の強化が予想される
 ことから、プライバシーと監視に関する日本の法律に定められている
 保護および救済の在り方が問題になります。

・最後に、法律原案の起草に関する透明性の欠如と、今月中に法案を
 採択しようとする日本政府の圧力によって、充分な国民的議論の促進が
 損なわれているということが報告で強調されています。

・現在の「共謀罪法案」は、主観的な概念が極めて広く解釈され、法的な
 不透明性をもたらすことから、法的明確性の原則に適合しているようには
 見えません。

国連人権理事会から与えられた権限の下、私は担当事件の全てに
ついて事実を解明する職責を有しております。つきましては、
以下の諸点につき回答いただけますと幸いです。

  1.上記の各主張に関して、追加情報および/または見解を
    お聞かせ下さい。
  2.「組織犯罪の処罰及び犯罪収入の管理に関する法律」の
   改正法案の審議状況について情報を提供して下さい。
  3.国際人権法の規範および基準と法案との整合性に関して
   情報を提供してください。
  4.法案の審議に関して公的な意見参加の機会について
    市民社会の代表者が法案を検討し意見を述べる機会が
    あるかどうかを含め、その詳細を提供して下さい。

要請が.あれば、国際法秩序と適合するように、日本の現在審議中の
法案及びその他の既存の法律を改善するための専門知識と助言を
提供することを慎んでお請け致します。

最後に、法案に関して既に立法過程が相当進んでいることに照らして
これは即時の公衆の注意を必要とする事項だと考えます。

閣下の政府の回答も、国連ウエブサイトに掲載され、人権理事会の
検討のために提出される報告書に掲載いたします。

                 ジョセフ・ケナタッチ
                 プライバシーに関する権利の特別報告者

明日、衆院本会議で採決して参議院に送っちゃっていいのかえ安倍首相。
国連が共謀罪を問題視しておるぞ!

衆議院での採決は、まずは国連の「質問」に回答して国連がその回答に
ナットクしてからにしてちょうだいね。

国連を納得させる説明なんて出来っこないんだから・・・



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