夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

半藤「昭和史」

半藤一利さんの約80冊に及ぶ全著作のすべてを
編集者が読みなおし、近代の歴史本としてまとめた
今年3月31日に出版されるや約2ケ月を経た
現在では8万部を超すベストセラーになってる
「歴史と戦争」を読み終わりました。幕末・明治維新
明治から初めて現代までの歴史的事件を時系列
に追いながら、著作の中からその事件の半藤さんなら
ではの考察をピックアップした形式の本です。

近頃読んだ本の中では、大変面白く読めた本で
それぞれの出来事に対する半藤見解にいちいち
納得しながら読み進みました。

半藤さんは1930年5月生まれですから89歳に
なられました。敗戦の玉音放送を中学3年の時
に勤労動員先で聞いた年代ですから昭和の
歴史に身を置いてきた、昭和の申し子のような存在
です。

まだお元気で活躍してるのに大変申し訳ない
のですが、本編の最後の項目が、これからの
この国に生きる日本人への「遺言」だと思って
しまいました。それを紹介します。

★この国がまた滅びるとき(P185)
  21世紀になったらいっさい贅沢と縁を切り、余計
  なことを止める。自然をこれ以上.壊さない。
  現状で止めることです。国民全員が合意しない
  までも、9千万人ぐらいは現状維持に賛成なんじゃ
  ないかと思うんですね。これでおしまいにしとかんと
  この国はまた滅びますね。『歴史を記録する』
    (吉村昭氏との対談で)

☆動画  半藤一利が語る昭和史3   50:00