安倍首相の祖父の岸信介元首相が、1951年に
サンフランシスコ講和条約とともに結ばれた
旧日米安保条約は不平等であったとして、
岸首相が就任4カ月後の1957年に訪米し、
アイゼンハワー大統領との間で旧条約は
「暫定的」であることを確認し、翌1958年
から改訂交渉に取り組んだ「改定新安保条約」
が今から60年前の1960年6月19日午前0時に
国会で自然承認されました。60年安保が
「還暦」を迎えたワケですね。しかし改定
安保も「占領期でないにもかかわらず、米軍
は日本への駐留が認められ、基地提供などの
経費は日本側が負担していますが、旧条約
でも米軍の日本防衛義務が明確でないことを
含め岸首相が目指した「米国と対等」の関係
の条約とは程遠い内容が継続されている
のが現状です。それは駐留米軍に特権的な
法的地位を認めた日米地位協定と日米合同
委員会で確認された合意議事録の改変には
手付かずだからです。日米地位協定は、
米軍基地内での米国の排他的な使用権や
管轄権を認め、日本の主権が及びません。
基地外でも米軍の同意がなければ、日本側に
米国財産の捜索や検証をする権利はありま
せん。日本国内に点在する米軍の施設・基地・
演習地の総面積は、日本国内で8番目に広い
青森県の面積にほぼ匹敵するのです。
それだけの面積に日本の主権が及ばない、
すなわち米国領土のままなんですよ。
改訂日米安保の支持が80%を超えるそうです。安倍首相は日本の独立国としての「米国と
対等」の立場を目指すのでなく、歴代内閣
の憲法解釈を変更し他国同士の戦争への
参加を可能にする「集団的自衛権の行使」
の容認に転じ、平和憲法を踏みにじって
でも、「軍事的に米国と対等な同盟関係」
に近づけることを目論んでいるようです。
いま、安保条約については、国民あげて
「思考停止」の状況に陥っている状況です。
私は、5人の仲間と昨年の敗戦記念日である
8月15日に「市民が描く日米安保条約破棄の
ロードマップ」という小冊子を刊行し、政党
や革新市民団体、その他の市民活動団体に
全部で300部送付しました。8割のひとが
現行安保支持ですが、アリの穴からでも
「堤防」は崩れるといわれますから、粘り
強く安保破棄を訴えて行きたいと思ってます。