夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

田中久重の「からくり人形」

福岡県久留米市生まれの田中久重(1799~1881)
は「東洋のエジソン」「からくり儀右衛門」と呼ばれた
江戸から明治時代に独創的な技術でいろいろな
発明をしました。

なかでも「からくり儀右衛門」との異名で呼ばれた
「からくり人形」は有名ですね。

この田中久重が1875年(久重76歳)に現在の銀座
8丁目に設立したのが電信機関係の「田中製作所」

久重の死後、養子の田中大吉(2代目久重)が芝浦に
移転し(株)芝浦製作所となり、のちに東京電気(株)
と合併してできたのが東京芝浦電気(株)ですよ。

みなさま,ご承知の現在の「東芝」ですね。

日本の製造業をリードしてきたその「東芝」が現在
会社存立の危機に陥っています。

危機の直接の原因は米原発大手のウェスチング
ハウス・エレクトリック(WH)を2006年に買収したのが
全ての発端。この時、三菱重工業日立製作所
2000億~3000億で入札したのに東芝は6400億円
の高値で買収。その後世界的に原発の新規
の動きが停滞し稼ぎ頭の半導体の儲けを原発
回していたが、経営陣が現場にムチャなノルマを
押しつけてしのごうとしたため、その場しのぎの利益
水増しが横行。2015年に不正会計問題が表面化
し決算発表も出きない状況になり苦境に喘ぐ状況に
陥りました。2018年3月末までに債務超過状態を
解消できしなければ「上場廃止」となってしまいます。

この名門大企業「東芝」の没落を創業者「田中久重
はどんな思いで天国から東芝経営陣を眺めて
いるんでしょうか。

田中久重が残した言葉です。

「知識は失敗より学ぶ。ことを成就するには、志が
 あり、忍耐があり、勇気があり、失敗があり、その後
に、成就あるのである」

恐らくグループ全体では家族も含めれば100万人
の規模の人が暮らしの糧を得ていると思われます。

影響が大きすぎます。経営判断を誤ったとはいえ、
東芝の苦境も2次的な「原発被害」といえるかも
しれません。

    ☆動画 田中久重/江戸の天才技術者
         「からくり儀右衛門」  14:53
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