夜の騎士のあれこれ噺

世の中にはあれ?これ?と思うことがいっぱい。

世界の潮流とは真逆をゆく「日本の有機栽培」の現状

昨日遺伝子組み換え食品禁止のため、世界は「有機栽培」への

切り替えの流れが加速していることを紹介しました。ところが

その流れのまったく逆を行くのが、驚く事に我が日本なんです。

その実態を、昨日も紹介した山田正彦農水相著「売り渡される

食の安全」からピックアップして紹介します。

★逆走する日本の食

・2017年12月、厚生労働書は突然グリホサートの残留基準を緩和しました。

     小麦  5ppm  →.30ppm   6倍

     そば 0.2ppm  →30ppm  150倍

     ひまわり0.1ppm →40ppm  400倍

 世界はEUをはじめとしてグリホサート(ヴェトナム戦争で米軍が多用した

 枯葉剤の主成分でモンサント社の主力製品、除草剤のラウンドアップ

 成分)の使用を禁止する方向に動いているのに、農薬のグリホサート

 残留基準を大幅に緩和。

ネオニコチノイドへの懸念  ニコチンに似た成分をベースとする

 ネオ二コチノイドは浸透移行性が高く、殺虫効果が持続するなど残効性

 も高い。散布する回数も減らせるため、1990年代に使用量急増した。

 しかし、世界各国で普及するにつれて害虫でないミツバチの大量死や

 大量失踪の原因のひとつと考えられEUは2013年12月にネオニコチノイド

 農薬の一部規制した。フランスは2004年にネオニコチノイド系農薬の一部

 の認可を取り消し2018年9月からは一部の例外を除き全面禁止。2020年7月

 には例外も排除される。韓国でもネオニコチノイド系農薬は屋外での使用が

 禁止されている。ところが日本は2015年5月に厚労省ネオニコチノイド

 農薬の食品残留基準を緩和(例としてホウレンソウは従来の13倍となる

 40ppmに緩和)

・日本は遺伝子組み換え作物を年間数千トン輸入する、世界でも有数の

 遺伝子組み換え食物の消費国だ。現在日本への輸入が許可され、販売

 および流通が認められている遺伝子組み換え食物は大豆、トウモロコシ、

 ナタネ,綿,ジャガイモ、甜菜,アルファルファ、パパイアの8種類であり、

 これらを原材料とする加工食品群の中で、食品衛生法の安全審査をクリア

 したのは320種類です。ところが、遺伝子組み換えの表示が義務づけられて

 いるのは320種類のうちわずか33種類しかない。大豆を例にとると、豆腐や

 油揚げ、納豆,豆乳類、みそなどは表示義務があるのに対して,醤油や

 植物油などには表示義務がない。つまり、私たちは遺伝子組み換え作物

 含まれているとは知らないまま、日常生活のなかで摂取しているのだ。

・日本の遺伝子組み換え表示の.3つの抜け穴

  ①遺伝子が組み換えられたDNAおよびそれによって生成されたタンパク質

   が残らないものには、5%以上の混入があっても表示義務がない

  ②重量順で原材料の上位3品目に入り、なおかつ原材料の全重量に占める

   割合が5%以上のものにしか表示義務がない

  ③5%以下の意図せぬ混入には表示義務がない

・遺伝子組み換え表示に法律の裏付けはなく、「内閣府令」にょって、つまり

 国会の審議をへずに、内閣総理大臣の意向一つで変更することが可能なものだ